「人と組織の活性化」の源泉を探る~討議内容のまとめ
以下は1998年4月から1998年10月までの議論をカテゴリごとにまとめたものです。
「経営理念」「オーナー(的)経営」「リーダーシップ」「個と組織」「ヒト」「日本型」「人事の役割」「人事制度」「評価」「仕事の与え方」「マニュアル」「教育」「選択」
会議録のセンテンスを要約し、1998年当時、合宿でタイトルごとにメンバー全員で整理しました。我々の問題意識の原点になっているものです。
<イキイキの環境>
48.「生き生き」させること
会社、個人を生き生きさせる
段階ごとの(心の訓練、手足の訓練、頭の訓練)生き生き
54.「個人のいきいき」「チームのいきいき」「組織のいきいき」が研究テーマ
いきいきの定義は「明日が待ち遠しい会社」
56.生き生きした人は個人主義を超える
生き生きした人は、人を育てる
58.活性化した組織
79.生き生きと働くには・・・・下記の全てが整うと、生き生きした仕事ができるのではないか
1.組織の中で自分が役に立っているか→知識の部分、また得手を持っているか
2.よい仲間がいるか → 人生
3.バリューがあるか → この職場で働いているという誇りが持てるか
4.適量の仕事があるか → 時間
5.適当な困難さがあるか → 自信につながるもの
6.環境が出来上がっているか → 俺がリーダーだ、俺が脇役だという役割と位置づ け
7.お金 → 経済的なもの
82.働く人が「満足」できるポジションづくりを
どの位置で満足を得られるかは、人により違う
87.企業が生き生きするというのは、どういう状態か?
個人が変革するというのは、個人はそれぞれなので難しい
しかし、ひとり一人の幸せと企業の生き生きはつながっている
企業だけが生き生きすると理解されてはならない
90.適材適所の具現化を
「はまればやれる」
社内に、あこがれが抱ける「モデル」が要る
若者には、シンボリティックなものを追い求める人もいる
105.生き生きした個人と、生き生きした企業とのオンラインコンディションを!
生き生きした個人ばかりという結果、会社がつぶれることのないように、生き生きした企業づくりとクロスする分岐点をどこに求めるかが、今までとは変わってきている
企業側と個人側が相互に追求しオープンな決定を下せることが、イケテイル状況ではないか?
106.生き生きコースは、多くの選択肢を用意すること
選択の自由を認めるということ
107.生き生きしているということは・・・やはり「評価」
つまり、認められるということ
108.「生き生きした個」とは、いろいろな考えがある。
交友を持つのが楽しくてイキイキ、いい評価を得てポストを獲得するのがイキイキ等
109.「報酬で生き生きする人」は一握りの人
生き生きする人は一体どこにいるのか?
例えば報酬の魅力で生き生きする人は、トップの2,3人であろう
ポジションで生き生きする人も減少しているのではないか
110.報酬額に関わらず、報酬に対する満足度で生き生き働いている人もいる
高額報酬を得るトップ層でなくとも、例えば、正社員と比して安い給料の契約社員でも、「多くの給料をもらっている」と満足して生き生き働いている人もいる
111.R社の店頭MDアシスタントの主婦グループが、生き生きについては抜群
生き生き度が高く、社員の2倍ほど仕事に対する思い入れが強い
なぜそうなるのか?
会社側が契約社員をも結構真剣に活用していこうということに対して「生き生き」できる
これはひとつの評価といえる
112.評価により、全員を生き生きさせるのは難しい
評価がよい人は生き生きするが、評価されない人はどうやって生き生きするのか?
評価されない人をも、生き生きさせる他の方法があるとして生き生きさせる
113.生き生きしてもらう人のプライオリティ-はどうなるか?
誰に、生き生きしてもらうか?どの順番に生き生きしてもらうか?
114.チャンコ番は生き生きする
相撲の世界では、関取は無理という人には、チャンコ番をさせる
なぜか? 手に職をつけられる、食べていける
163.使用人として酷使していく会社vsみんなイキイキと働かせていく会社
174.組織心理学者による生き生きの尺度として歴史ある概念は職務満足
しかし、本当の生き生きをはかっているかは疑問
175.職務満足を本当の生き生き度をはかる尺度に変えるべき
生き生きは感情の話
経営学とのつながりできちんと測定されていない
どこの職場でも感情がうごめいているにもかかわらず
178.サラリーマンの基本キーワードは我慢
我慢していると、生き生きするのは難しい
231. 行動、言動を分析して再生できるかどうかが、現代経営学の課題
250.生き生きした組織とは、生産性が上がって永続性があること
252.生き生きしている状態とは、第3者がみているものであり、生き生きと見えている時にどういう行動をとっているかとなる
253.安心感がある生産性と、危機感が支える生産性、どちらも周りからみると生き生きしている
ものすごい競争とものすごい馴れ合いはある意味で似ている
254.本人が生き生き感じるかという捉え方での「生き生き」
255.生き生きしている状態とは、あるスケールを用いなければならない
生き生きの計測は、主観と客観が分離する以前の瞬間をとらえなければならない
256.経済的満足を得るため労働強化により生産性が高まっても、健康を害したりということであると、ESはできているのか?となる
257.定義しにくい「生き生き」---似た言葉との違いは?
「幸せ」「きびきび」「ぴちぴち」「ぴりぴり」・・・
258.生き生きとは「自分が向上心を持って、毎日会社に行きたくなるような気持ちで働いている状態」
259.生き生きとは、会社に行くのが楽しいといった「前のめりになる」状態
260.生き生きするのは、自分のやりたいことをやっている時
261.「生き生きした企業」「生き生きした集団」「生き生きした個人」で、捉え方が違う
262.前のめりということで、より新しいものを作ろう、よりたくさんものを売ろう、よりたくさん会社のファンを作ろうということが、会社が生き生きしている状態
263.社会が生き生きするのも、262と同じで、自分たちの社会のステイタスをあげよう、認めてもらおう、進化させようという捉え方ができる
264.個人の生き生きは企業や社会に投影される
265.生き生きとは、変化に対して柔軟であったり、変化する原動力を蓄えていたりというイメージ
266.企業遺伝子は活性化しているかという問題
拡大傾向を持っている状態は元気な状態
267.結果的に業界ポートフォリオができあがるという、自動的にできていった状態--これを最初からやっている会社が生き生きといえるのではないか。
268.各社の生き生き、生き生きした会社とは?
松下より、ソニーの方が生き生き? トヨタはきびきびでホンダの方が生き生き?
269.生き生きした組織の弱さというものもある
きびきびしていない部分
270.生き生きしていると見える会社は「個人」が前に出ている
個人の顔が見える
271.生き生きした組織は、各自個性があり、自分の主張で働いている
272.生き生きとは、全体より個人、統制より自由、失敗しないというよりチャレンジすること
273.生き生きした組織は、歯車モデルか、采配のモデルか、生物学モデルか?
274.我々はなぜ生き生きしたものにあこがれるのか?
かつての組織はきびきびしていればよかった
275.マニュアル型組織では生き生きは難しい
TDLは生き生きか?マクドナルドに近い?
348.生き生きした組織と個人と、選択との関わり
選択が組織にゆだねられていた時代から、個人が選べる時代へ
<経営理念>
35.「経営」に結びついた「人事」を!
近頃では、取締役人事部長の減少にみられるように、経営から見放された人事屋としての扱い傾向
「経営人事」も経営企画部に吸い取られているという実態
46.経営理念を効果的に
最大公約数(cf;44)で最大面積をもつのは経営理念ではないか
経営理念は戦略をも規定する
理念にアグリーした人間を採ることが重要
165.M社にははっきりとした経営理念がある
「お客様が大事だ」ということで、社員もお客様であるということで大事にする
社員に対する思いやりの強い会社
166.教義列伝
196.アメリカは抜擢の社会
216.企業として、実現レベルに到達するヒントはゲマインシャフトとゲゼルシャフトの融合
217.企業成長では、どちらを取るかをきめたら徹底的にすることが大事
222.孫弟子による純化ができるか?
聖書や教典は、弟子が語ったことを孫弟子が記録
弟子は恩師の欠点を知るが、孫弟子は純化できる
M社ではそこまでできなかったのでは?
223.ベンチャー企業では、徹底した理念の前面に
225.韓国のお坊さんの迫力ある説法が参考になる
226.「理念」というより「精神」という言い方
227.理念の実体は「やらなきゃいけないこと」「やってはいけないこと」を明確にした体系
228.理念を言葉にするとロジカルになるが、誤解される面も生じる
229.理念構造を明確にすることもできうる
拡大解釈しやすい座右の銘から、部門・階層への特定な解釈のものまで
230.「理念アンカー」で伝える
理念は言葉では通じず、錘のようなものがあって初めて活きる
それは案外小さなことである
237.経営者は事業家でなく、株主から与えられた使命を到達させる
244.経営学とは経営技術なので、カリスマ性は持たなくてもカリスマ性を演出できればよい
247.2期4年をつつがなく終えるのがいい経営者とすると、長期展望を許すものとなっていない
248.2期4年という循環による世代交代により、次は俺だという目標を与えるということが、組織を動かす良い構造でもある
277.スタンダード志向はどうなのか?
ゼネラルスタンダードが到達点であるように言われるのはおかしい
自分をしっかり持っている会社がゼネラルスタンダード
ベンツがグローバルスタンダードのモノ作りをしたら誰もベンツに高額は払わない
278.グローバルスタンダードは、独特の日本的発想
279.製品のグローバルスタンダードは意味があるが、経営には必要ない
280.金融の世界はグローバルスタンダードがいい
バーチャルマネーでグローバルにぐるぐる回る
281.人、モノづくり、仕事をすることでは、ぐるぐると簡単に動かせない
金融の世界に迎合するか、それともしないか?
282.お金か人間かの二極分化
アメリカでは、お金の世界に迎合していく企業と、ヒューマンリソースではなくピープルだという企業と二極分化が始まっている
283.日本では、エコノミストはグローバルスタンダードといっているが、経営のわかった人はグローバルスタンダードは無理といっている
284.日本的な意味のインターナショナリゼーションがつかめれば、自信が出てくるのではないか
今、日本的なものはあかんが、強い
285.1番大きい会社が独裁する大義名分がグローバルスタンダードでないだろうか
グローバルスタンダードは1番あるいは2番目に大きい会社の言い訳ともいえよう
286.同額を、「努力して稼ぐ」場合、「簡単に稼ぐ」場合、お金として同じとみるか?違う価値としてみるか?今日本では分かれ目である
アメリカでは同じとみて、後者の方が偉いとなっている
347.ホリスティック療法と対処療法の違いが参考となる
同時期にどちらを使うのかが重要
東洋医学と西洋医学の融合を
<オーナー(的)経営>
47.日本の最大公約数をつくろう
ビジョンメッセージの下手な企業が多い中、オーナー経営者はそれが上手い
93.中小企業の人事には柔軟さがある
しかし、社の成長とともにシステムの導入が必要になると、柔軟さが薄れてくる
116.制度による決定より、トップの裁量による決定
例えば、将来社長になる人から、直接話を聞く方が、生き生きするのではないか
117.オーナーであるトップ層による、給与プラスαの手渡し
例えば、評価のよい人に「よくやった」と10万円払う
評価の悪い人に「この給料じゃ子供がかわいそうだから、これ子供の小遣いや」といくらか払う
118.オーナーは別格
社員側としては所詮雇われ人だが、貢献したら報いてくれる
自分はしんどいという事情もわかってくれる
116,117のようなことができる
120.オーナーは人事を超越する
オーナー会社のように、オーナーという不動点がある組織は、サラリーマン会社にはなれないということを利用し、オーナーのやることは人事をも超越するというやり方
現代的ではないが、人の心の中にその要素がある
121.オーナーが直接、話を聞くというのは、非常に求心力を高める
会社の中に「逆命でいく」連中がいても、会社が持続するかという判断できる人がいるというのが重要である
122.組織の中で超越する神のような力がいる。評価は主観である。
主観を含まない評価は、あまり意味がない
客観化できるものでやっていると、難しい問題が生じる
125.お金の渡し方による違い
ex,100万円を社長が渡すか、銀行振込にするかで違うというのが人間
ex,クボタの例
127.オーナー企業の良さを利用する
社長にはなれない組織だが、オーナー組織だからできることをする
認められるオーナーの存在には、重要な要素があり得る
128.「どうせ社長にはなれない」という最後のエクスキューズ
最後のエクスキューズがあるのというのも良いかもしれない
誰でも社長になれるということになると、社長になれないとアホなんかと言われるのはつらい
129.日本の場合、オーナー企業は意外に多い
同族企業や親会社からの派遣社長(サラリーマン社長)を含めると、オーナー企業は意外に多い
戦後の日本を支えてきたのは、間違いなくオーナー企業である
130.オーナー企業ということを積極的に活用する
ex,;社員の人数1000人の中で、年齢層はバランスのとれた割合にし、長期雇用を基本とする/大企業のような硬直的組織でなく、頑張らなくても気楽にしていてもいい/反対にいつでもコアになれるし、疲れたら休憩の場所も用意する
オーナー家が本音の哲学を語り、本音で語り合える部分があるといいのではないか
133.N運輸事例にみるオーナー的経営の特質、同族会社の意味
1)社風はトップのキャラクターそのもの 2)中小企業ながらプライドの保持
3)一族から人材供給(ファミリーからの人材輩出が社員の安心感に)
4)派閥争いの少なさによる社員の結束 5)社員の功績に対する報酬(大企業病を防ぐという意味で、金一封渡し) 6)長いサイクル(30年の存続という使命感)でものをみる 7)若手経営者による若返り
134.前記133のオーナー的経営の良い点は、オーナー経営の弱みにもなり得る
悪いオーナー経営では、すべてが逆効果に
135.オーナー企業の持続には前記133のようなオーナー的要素が必要
こういう機能がないのが機能的組織
136.一挙手一投足のモデルであるのがオーナー的経営
137.オーナー企業研究に際し、オーナー経営を是とした場合、経営的な合理性の検証が必要
理想的なオーナー経営のあり方は? 過去の失敗例、成功例は?
138.理想的なオーナーモデルの継承は可能か?
○○家流ということでいえば、一般論として拡大しにくい
続いている組織の中からの共通項の抽出が必要
139.組織のスタートアップ時には、オーナー(創業者)がいるのは大前提
140.オーナー経営から始まり、生成期を過ぎるとふつうの会社に移行するのでは?
生成期を過ぎると脱パーソナリティーとなり、オーナーから非オーナー、投資家の株保有という形態に移行するのではないだろうか
141.かつての財閥解体以前と以後の生産性変化をみると参考となるのでは?
142.英ノーブレスオブリージェにみる経営者=善は、オーナーでないと持ち得ないのか?
143.オーナーといっても様々
経営オーナーでなく、資本家オーナーとなるオーナーもいる
144.オーナーの絶対的権力の根底には、オーナーが権力を掌握しているというカルチャーがつくられている
145.オーナー的経営の良い面が、生き生きした組織作りのヒントとなる
オーナー的経営の良さ=人をつくる何らかの要素があること
146.オーナー企業の社員が生き生きする確率が高いのであれば、イキイキの本当の中身を明確にする必要がある
147.絶対的な存在としてのオーナーは、懐が深い
やんちゃ坊主的社員に対しても許容範囲を持っているM社の例
148.強烈なオーナーに追随するようなオーナー的感覚を発揮できる事業部長が存在した時代
高度成長期には、権限委譲に伴う部門長のオーナー的感覚が許されたが、環境変化によりそういう感覚も次第に薄れている
149.社員の求心力を高める社長直々のアプローチ
管理職になった時、社長直の挨拶状と粗品が届くと、気持ちも強まった
152.日本的インターナショナル化の中でのオーナー経営
前記151で変われないとすると、日本的インターナショナル化を要する
その中で、オーナー経営の良さはどの程度残せるか?
153.オーナー的組織に向く人間
天皇制的価値観を持った人は、非オーナー組織よりもオーナー的組織に入った方が生き生きできるのではないか
154.オーナー的企業と非オーナー的企業との比較
成長率、従業員満足度、生産性
155.オーナー企業で、学ぶべきところ、学んではいけないところがあるのではないか
156.オーナー企業で、比較的うまくいっている例は医薬品業界
157.長期の視点が必要なときは、意外にオーナーがいいのではないか
158.元気な企業には比較的オーナー企業が多い
159.業績、勢いではオーナー企業は強いが、どう強いかが問題
疲弊しながらも強いのか、いきいきと働きつつ強いのか?
160.オーナー会社が世代交代時に2つに分裂する例
161.あるオーナー企業の家訓「兄弟はひとりしか残すな。それ以外は外へ出す」
絶対的権力の下では、自分の代だけのみならず次の代も考えてやっている
162.オーナーであるゆえの、大小両方のそろばん勘定ができる
小さなそろばんから、長期経営という大きなそろばんまではじける
164.オーナー企業には根本の考え方がバックボーンとしてあり、受け継がれていく
木のてっぺんに登り最先端だと思っていても、風が吹くと揺れてしまう
そんな時、枝葉を見るのでなく、根っこから見たら簡単
その根っこにあたるのがオーナー企業の考え方
167.オーナー的経営において、創業の精神が、進化する場合、かたくなに守り抜かれる場合があるだろう
168.日本的オーナー経営では、血の要素、血縁によるつながりの意味を重要視し、正当性を認めようとするのではないか
ex;阪急電車の例 cf;韓国の例
169.遺伝子を子孫に残すという血族の安心感は日本人、東洋人にみられる
他人を信じるには時間を要するが、身内を信じるのは一瞬
裏切られたときも大きいが、許すときも大きい
170.心理学的に、世代間リンクはうまくいく場合としんどい場合がある
エディプスコンプレックスの例
171.オーナー企業でない場合のジェネレーションリンクの好例
ex;F社の例:中間管理職になる頃に、個人的相談相手がキャリア上のチャンスをくれる人であると、課長になってもミドルは元気
ミドルがエンパワーされると次の若手のリーダーシップ行動も活発化する
172.オーナー企業の世代間リンクは、ずっとエンパワーするだろう
187.オーナーの子飼いによる価値観の連携
オーナーがかわいがる人材に価値観の連鎖が自然発生的に行われる
188.血の話ではない「濃密なつながり」
192.M&Aされない会社は、コアコンピタンスのコアピープルがなびかず、事業継承できる会社
197.オーナー企業と抜擢は相性がいい
日本で誰かが抜擢されると、自分にも可能性があると思い、それがオーナーシンパとしてナットワーク予備軍となる
201.人事部を変える力はオーナーにしかない
本来人事部は尖兵になるべきところが、みんなアンカーになってしまっている
221.M社では、松下幸之助を理想のモデルとして、価値観に感化された時代から、今その感覚が薄れてきている
232.カリスマ性をもった人、それを演出するグループの存在
D社の吉田秀雄の例
カリスマ的人物の話を拾い上げる人がいて、みなの知るところとなって増幅していく
233.過去のカリスマを現代に置き換えられるか、あるいは作ろうとしてできるものか?
236.オーナー企業では、経営という機能が組織と分離されている
仕事をする組織とは別の「経営する組織」がある
238.中堅企業の場合は、いい人材に恵まれた上でのオーナー経営の方が会社は伸びる
239.実際のファミリー経営では、オーナーは看板であり、裏で経営者をすげ替えるようなシステム、評価するシステムとなっている
牛耳っているのは、奥さんやお母さん的存在
240.オーナー企業の後継者は、若い頃から自分が社長になると自覚し、帝王学を無意識に学んでいる
一般企業では、自分が社長になるといって社長になるケースは希
243.オーナー型の企業は、数代にわたる優性遺伝により本物の優秀な人間を経営者にするというやり方
245.同族とは、実力以外の重要なファクター
実力を正当化できる経営者が見あたらないときに、同族から持ってくるという例
246.オーナー家出身者とサラリーマン社長では、長期的視点と思い切った策に差がでる
249.業績がいいうちは、カリスマ性が評価されるが、業績とカリスマは関係ないだろう
業績が落ちると、過去のカリスマも評価が落ちるだろう
251.オーナー経営の要素は、いかに生き生きした個人に結びつくのか?
<リーダーシップ>
176.すごいリーダータイプの人間はわがまま
177.清く正しいわがままならいい
179.組織論の中にきちんと感情を取り戻す
180.MITエドガーシャインによる、組織文化の研究
181.国際経営精神分析学会の研究
精神分析を経営や組織に使う人に格好のテーマ
182.悪い言葉にいい形容詞をつける実験
清く正しいわがまま等
190.リーダーシップの測定時に、部下全員の平均をとるのは間違っている
厚い関係、緩い関係があり得る
リーダーシップの現象はグループ内においても一対一
195.人事は公平公正継続性ということから、清く正しいえこひいきができない
205.アメリカでは、上司に逆らうと即刻クビとなる
アメリカ人は上司の前に行くと震える
日本人はそこまで震えない
234.テレビによる編集力が、リーダーの権威を落としうる
235.テレビの効力を利用した、極めて役者なリーダーも存在する
276.〇〇式というように、自分のところのスタイルが明確になっているのも必要
いい意味でのわがまま
<個と組織>
2.グループの研究
グルーピー(リチャード ハックマン)、グループから全体をみる
4.自己完結できる組織規模の研究
人数、単位、ユニット数
7.長期的な組織及び集団の維持手法
もはや戦略だけではもたない
業績主義、実績主義の機能集団は短期的にのみ有効
長期的機能集団の維持が課題
19.雇用装置or幸せ創造装置としての会社
「個」を優先すれば、組織の「生産性」はどうなる?という議論
43.個人が「働きやすい場づくり」を
組織という捉え方では全体ということになる
巨大組織でも、末端では10人も面倒をみていない
個人の働きやすさに着目すべき
62.情報過多社会の弊害
95.システムの充実と大企業病
ある意味で大企業の社員はラク
システムに頼る=どれにぶら下がったらいいか教えてくださいという態度になる
システムが充実しすぎると、人間のずぼら心を招き、大企業病になるのではないか?
119.サラリーマンである以上、上司は部下の責任をとり続けることはできない
例えば、上司の命で転勤になり、2年後には戻してもらえるという話だったが、その間に上司が異動してしまい、帰るところがなくなったという話
150.村社会的経営と都市社会的経営、どちらが適合しているか?という問題
189.最初の直属上司との強固な連結が後年のパフォーマンスにまで影響する
191.縦列のべたべたのナットワーク(納豆ワーク)は、糸がつながっているうちはいいが、ひとたび失脚すると全部崩れる
193.日本は村的ナットワークだったのが、周りが都会になりいよいよ困っているという状況
194.実は、アメリカの方がナットワークが強い
人事のないところで上司が部下を選ぶので、アメリカの方がナットワークといえる。
215.アメリカの底流にも、会社をコミュニティーと認識する少数派がある
218.今の日本では、急激な変化に伴い、人事や制度の中で、都市型に無理矢理寄せられている
<ヒト>
5.「ヒューマンリソース」概念の見直し
人は資源か?資源ではない?
6.ヒュ-マンリソースデパートメントではなく、ピープルデパートメント
資源としての「ヒト」でなく、「人」をどう捉えるか
8.集団における2:6:2(エリート、マジョリティ、スクラップ)の再構成と活用
エリートのみでも巧くいかない
スクラップの役割の可能性は?
11.「2・8の理論」
26.人間理解の必要性を踏まえた組織構造・機能・成り立ちの理解
ミクロ(人)、マクロ(人間)、生物学(ヒト)的見地の3点からの理解
53.「人生のゴールの会社」戦略
例えば、50歳で採用するが過去は追求せずといった会社方針にすると、採用される側も過去を悔い改めて入社するのでは?(cf;50)
55.「人が育つ」という視点
「1年先を考えると金、10年先を考えると土地、100年先を考えると人を残せ」という意の中国のことわざがある
ひとつの価値基準だけでなく、物事をくまなくみよう
59.ベンチャー精神
63.個人の可能性
個人の成長から組織の成長へ
83.今の時代、社員には緊張感や危機感も必要
腰を据えてやっていく
88.人間の能力に「息切れ」はないのではないか
頑張れば、2倍も3倍も働いてもなんともないのではないか?
息切れしないが、生き残る人とお荷物になる人に分かれる
89.「燃え尽き症候群」は30代でも起こり得る
優秀で前向きな人が、ある時壁にぶち当たり這いあがれなくなることもある
そのフォロー、手段も可能にしておくこと
92.エクスキューズの下の安定
上司が分からず屋といったエクスキューズが多いうちは、結構安定しているものである
エクスキューズがなくなると、かえって燃え尽き症候群のような状況に追い込まれるのでは・・・
96.企業拡大とともに管理が必要になってくる
人間は本来管理できないのではないか
だが、企業規模の拡大とともに管理がどんどん導入される
そこに矛盾が生じる
97.仕事時のひとりひとりのスピード感は違う
ジェット機で飛んでいる人、ターボで飛んでいる人、プロペラで飛んでいる人・・・といろいろだが、結局いずれも同じ方向に飛んでくる
リーダーシップをとる人がジェット機であり、早くて偉いように見えても、実は遅れてくるプロペラがずいぶん役立っているということもある
それぞれの拾い上げと評価が納得行くものであり、全部が納得するといい会社になっているのではないか
98.コース別人事は97の例に該当しうる
ジェット機コース、プロペラ機コース、自転車コース・・・
99.事業体としては、ジェット機タイプもプロペラタイプも必要
103.「今が大切」でない生き方もあるのでは?
今大切なものをベースにすると、今の成果ではかり、今の事業が大切となる
が、10年後大切なもの、100後大切なものは、また違ってくる
企業に余裕部分があると、蛇行する人がいてもいいかもしれない
132.戦略に合わせて人を育てるのは間違っている
なぜなら、戦略は変わるが人は変わらないからだ
212.人は資源ではない
213.「人材」とみた場合のネガティブ面
使い捨てということにもなる
214.米東海岸の成熟企業は「人」「人」「人」といっている
220.「人間は王者である」と言った場合の影響
松下幸之助の本『玄関』から
<日本型>
23.「日本人って何?」---日本人の特性を押さえる
日本型経営の変遷にいたる以前の、日本のシステムの研究
24.文化遺伝子「ミーム」という考え方
親や本からの教育で、マインドコントロールがかかり、文化や風土の形成に影響を及ぼす
25.人の特性は、文化の違いにより異なり、各国様々である
育った環境と背景が違うと、解釈も違ってくる
ex;英国は気質論、米国はペルソナ
52.おいそれと変えられない企業文化
入社した途端「上がり」に
85.日本中の人が大なり小なりの「不安」を抱えている
104.不安なことが多い社会環境の中で、会社の人事が発するメッセージを確立する
競争環境の厳しい日本において、不安心理が根づいている
そういった中での拠り所として、各社の資源、文化、戦略がどうなるかということと「人事」の捉え方に矛盾がなければ、会社の中で社員として生き生きと頑張れる
以上が、人事のメッセージの中にしっかりと入っていることが必要
151.日本は、インタードメスティックから本当にインターナショナルに変われるか?
219.日本型人事は戦後50年の変遷
日本文化を辿るのであれば、どこまで遡るか?
313.かつて日本的経営が良かった時代
315.日本的経営では、他者の仕事も自分の仕事としていくという面があった
325.アジアからみて、日本は小バカな細かいことを言う、これが習慣作りとして浸透
「まっすぐ並んでいないと気持ちが悪い」等
捨てる神あれば拾う神あり
326.ライン生産が未熟練というのはウソ---トラブル対応力が現場の技能を決めていく
372.日本ではグレーゾーンがある
イエス・ノーの中間では通用しない国が多い
<人事の役割>
1.人事の役割
「MBAの人材戦略」1997年、David Ulrichより、1)戦略のパートナー、2)管理の専門家、3)従業員のチャンピオン、4)チェンジエージェント
12.現場主導型人事
27.多角的視点を踏まえた21世紀の人事
企業の生産性と個人の接点の発見(cf;13)
個人の欲求は多様
企業=マクロ、人=ミクロ、ヒトって何=生物学を全部セットする必要
30.人事という機能に関して
「人事」とはそれぞれの頭の中にあり、今まで本当に機能してきたのか?
結果として「生きた人事」になっていなかったのでは?
31.今までの「管理型の人事」の概念を脱却する
32.「人事」「組織の中の人」の定義づけが大切
現状ではいろいろな定義づけで議論されている
「人事機能としての人事」「組織との関係性を司る機能としての人事」など
33.人事はマッチングプロバイダーである
「人と組織」「人と仕事」「人と人」とを結びつける---そこから成功効果を追求するのが人事の仕事
人事は、戦略実行の後方支援部隊ともいえよう
34.人事はサービスプロバイダーである
36.「人事」は企業の最先端をつかさどる位置づけに!
「採用・教育・配置・評価・処遇」は企業の骨組み
人事には、代表取締役副社長クラスの責任と権限を!
37.人事の人減らしについて
機械化による人の削減も、管理のためや給料のための人事ということであれば理解できるしかし、「経営」という考える能力を人事に持ち込むのであれば、減少傾向ではダメ
38.組織の中の「人」にしかできないことに焦点を当てる
人事の合理化は、アウトソーシングや機械化でどんどんやればいい
しかし「人の能力」でしかできないことには、時間をかけるべき
39.「経営人事」の視点が重要
人事部門内の職務分掌を意識しすぎ、作業レベルの役割がクローズアップされ、肝心の人事機能が後回しになってしまっている
40.人事とは、個別的で多様なもの
一つのルールで割り切れないのが人事
人事の多様性が、実際の対応として果たせていないと、誰も人事を信じない
41.「個」に目を向けた人事に!
人に対して生物学的な視点を向けないと、機能重視のさびしい人事となってしまう
会社の人数が少ないと「厳しくやさしい人事」が、会社が大きくなると「甘くて冷たい人事」になってしまう
42.人事の役割は「環境をつくること」
人事がすべての管理を行うのは不可能であり、人の心まで管理できない
各部門をいかに巻き込むか、人材の有効活用とムードづくりを
44.人事の最大公約数の発見
今までのシステムによる管理=平準化と、個人裁量権の幅を持たせる=標準化との最大公約数を見つけること
45.(ローカル)ルールは戦略に従う
49.人事の仕組みは、中間層にはクローズシステムとなってしまっている
アルバイトやパートにはオープンシステムで、最も出入り自由
トップ層も比較的出入りがある
比して、中間層はしんどい
51.クローズシステムは、修社意識の強さに根ざす?
中間層の実態から(cf;49)
199.人事部の人のタブー
我慢したり、感情を表出しなかったり、わがままをしない
200.わがままを許す仕組みは、人事の機能をラインに戻すということではないか
やんちゃ人間が自分のやりたいことをやる、新規事業を起こすような例
202.米ヒューレットパッカッードでは、創業者が人事部はいらないといっていた
2000人を超える組織となって人事部を作った
創業時の考えが語り継がれているので、人にまつわるのは本来全部がラインの仕事であるということになっている
203.人事部が機能的残滓でないという保証はない?
何かの機能を有している場合 、よほどのことがない限りその機能は残る
204.人事部の本質機能は、他の部門に何を提供しているか
何をしているかでなく、何をもたらしているかである
206.人事部はサービスプロバイダーという看板をきちんと揚げることが重要
207.人事が大事といっているがで、人事部は大事とは言ったことのない会社社長
瞬間風速の人事部長の談より
208.R社の瞬間風速型人事部長の言「人事部の役割は、止まり木になれ」
209.人事部は必要か?不要か?
人事部はオーナーの人事権を発動させる傀儡機能
210.人事部は、社員にどう映っているのか
211.「人事部」からの名称変更
某化学薬品会社では、福利厚生をも取り込んだ「ヒューマン事業部」へ
米UA社では「ヒューマンリソースデパートメント」から「ピープルデパートメント」へ
375.買う側の代理人か?作っている側の代理人か?売る側の代理人か?という議論
日本文化にあうのは、購入者側に立って決めてあげる購入代理人
377.労働組合と人事部のアウフヘーベンが新しい労働体系
378.人事の制度も、中間的オンブズマンが、会社側の意図と個人の意図を巧く調整できうる
<人事制度>
15.W社の階層別研修における、企業風土の醸成と忠誠心の浸透による、選択能力の育成
の例
3年程で方向性がわかる
16.ファーム職群
入社後3年間の経験が有効
60.資格等級制度
61.成果による報酬制度
66.振るい落とすのでなく、拾い上げるシステム
68.人事制度は、複雑にすればするほど運用が難しい
69.年功序列制度の有効性
企業風土に見合っていれば(人件費は高くなるが)、年功序列でも構わない?
キャリアアップしたい人は企業外で自分を磨くとよい
70.コース別人事
74.新人事制度運用時のプライオリティーを明確に
配置や給与、処遇、教育など、多岐にわたる課題の優先付け
80.人事制度の基本フレームを社員として理解していることが重要
94.中小企業への成果主義人事導入の危険性
社員が本社の方を向き、お客様の方を向かなくなったという例
100.コースの基準を設定すると、ますますシステム化していく
ex;ジェット機コースは、時速1200キロ以上で、ある距離を飛ばなければならない
といった基準
101.実際の人事には、システムとしての基準をクリアするか、運用ベースでみるかといった問題が課題
102.システム化しすぎることなく、運用ベースでみていくとなると、人事フレームはなぜ必要なのか?
戦略や方針を同じカタチで言い続けるのは、社員にとってまたかということになる
人事の仕組みではどうか、事業戦略ではどうかという、表現形態や方法としての使い分けをしてわかってもらうということではないか?
126.ルールや制度に合わさず、ストレートに語れる部分があってもよい
186.全員に「おまえはできる」と言うと効果がなくなる
だめなやつがいないと効果がなくなる
不幸なやつが出てくる
224.お金でつるのは高くつくが、精神というのはタダ
ビルゲイツは儲かるというところで評価されるが、M社やHP社のような哲学はみえない
241.サラリーマンから社長になるには、段階的な脱皮が必要
一流の課長→一流の部長→経営者に選出
一流の課長と一流の部長では条件が違うので、そこで脱皮を図らねばならない
242.実際には、241のようにまともにいかないケースもある
あれっあなたが社長になったの?といった場合に、帝王学はできていない
運もあるし、アンチテーゼ的な選出もある
287.お金にシフトしている今、人事においても「お金で報いてしまったときに本当に組織は維持できるのか」という議論が必要
312.モチベーションやインセンティブに通じる制度の確立を
日本では、それらを下げる役割を制度が担ってしまっている
モチベーションやインセンティブに通じない制度は制度ではない
338.標準化マニュアルの精神は、全員が最低限このレベルでそれ以上のことができるというマニュアル
80%までができなかったら減点していく減点主義
だが、80%の上の20%ができるとどんどん足していく加点主義
このシステムが正確な和訳として入ってきていないのが問題
345.人事コストとして、業種・業態の違いにより、どの選択肢をとるか?
年俸制が有効な業種業態と個人がある
<評価>
64.アウトプットの増大
75.人事制度の問題は「評価」
評価する側とされる側の評価(本人の納得度)
76.人格や能力の評価から、アウトプットの評価へ
旧来の人事考課では「優秀」「頑張っている」という甘い側面でみてしまう
人格の優秀さ=アウトプットの成果ではない
77.多面的な評価が必要
上からも下からも、横からも、納得できる評価をする
78.エサ(報酬)の見せ方は、複合的なセットメニュー(量も質も)で見せる
例えば、ある期間の成果しか評価しないということであれば、社員はシビアな方向に意識が向いてしまう
制度だけポンと与えられると、人事と社員の思いにギャップが生じるので、ビジョンを明確にすること
81.昇格昇級の「結果」がイメージできること、カタチとして見せられること
84.制度変更時の従業員側の関心事は、本当の狙いは何なのかということ
制度を変えるにあたり、本当の狙い、本音を知りたいということに対応するべく、いかにそういったことを伝えるかがポイントである
今までの何が行けないのかをきちんと伝えること
そして、社内の共通認識とすること
115.人事担当役員の個別面談による報酬決定
米国の繊維の同族会社、ミリガンでは社長、会長、人事担当役員が、組織図及び社員の写真、経歴が貼られている部屋に1ヶ月篭る
そこに管理職が順番に来て、評価して給与を決める
124.評価の中では、納得させる事が大事
低い評価をすると、本人の文句が来てまずい雰囲気になる
しかし、理由をはっきり言い「次回は頑張るように」というと、文句は言ってこなくなる
131.米企業は、人の評価に凄いコストをかけている
ex,ヒューレットパッカード社の評価の例
198.人を好き嫌いで評価する人は、企業の中にはあまりいない
ちゃんとした人事のある会社では、好き嫌いで人を評価してはダメということになっているのかもしれない
289.各社でクローズアップされているのは、評価の問題
290.処遇の問題はいろいろあるにせよ、行き着くところは評価
291.早い段階での評価が必要となっている時代
長期雇用のもとでは、昇進につれて評価は自ずからわかってきた
早く差をつけないといけない今、自ずからわかる評価を待っていられない
292.米海兵隊の評価の例
すべきことをしなければ減点
293.評価は、色々な要素が凝縮されてくるので妥当なテーマ
294.日本では、評価と考課は明確に分かれていない
会社によって違う
295.考課はデジタル、評価はアナログ
考課は、事実の集積で数値により表せるものが多い
評価は、事実が集まらないときにバイアスをかけて使う
297.評価は潜在的なものを含んでみている
298.IBMでは、言われた通りの結果を出すとマル
299.米海兵隊のランク付けの例
「言われたやり方でやって結果が出ない」と「言われた以外のやり方で結果が出た」では前者の方が上
言われたやり方は作戦として作られたもので、結果が出ないのは作戦が悪いから
300.299のように言われたやり方で失敗しても、組織の中に教訓が残る
言われた以外のやり方でたまたま達成しても、達成のプロセスはやった本人にメリットがあるが、組織としてのリソースにはならない
301-1.日本の場合は、何でもいいから売った者勝ち
「やり方は任せるから結果を出せ」か「やり方はこちらで決めるから結果はそれで従う」のどちらかである
アメリカがABCDのランク付けとすると、日本はACBD
301-2.最初の段階で理想的なのは、どちらにする気があるのか問うこと
作戦の命令通りにやり結果は問わないか、方法論は自分でやって結果を問われるのと
どちらがいいか?
303.IBMのコンピュータのシステムの営業例は、シナリオ営業
第一段階は、役割を果たせる
第二段階は、役割を果たす理由を理解できる
第三段階は、お客さんに合わせたシナリオが書ける
第四段階は、シナリオに合わせて部下を動かすことができる
最後は、シナリオに合わせて上司を動かすことができる
以上が営業マンの成長プロセス
304.日本で前記303のようなシナリオはきっちりとできていない
プロデューサー、ディレクター、スタッフ、アシスタントという4階層しかない
プロデューサーは、コラボレーターであり上司をも動かせ事業を作り上げるが汗は流さない
ディレクターは、プロデューサーが作った事業を完成させる
スタッフは、ディレクターを手伝う
アシスタントは、スタッフの下にやって来る派遣社員など
305.日本で評価や考課ができない理由は、仕事のやり方がはっきりできていない、あるいは示されていないということかもしれない
310.考課と評価の違いという前提条件をはっきりさせる必要がある
311.お金のことは考課、職位・等級のことは評価
339.自分が思う点と、上司が思う点のズレが7%以内に入っていないのは、いい加減な制度
自分が55点とれたと思い、上司が30点ではダメ
350.ニーズに対応することは、自分が作り出す自信がないから、市場に聞いてしまえという発想
353.服の世界は昔はプロダクトアウトであったが、段々変わってきている
商品提案力が大切という業界は今も多い
359.日本の場合、技術の世界ではすばらしいことを行っても、早すぎたためにつぶしてしまう
きっちりそれを評価できると、悠々とできる企業があるのに・・・
(cf;米デュポンで評価された、東レの主力商品)
360.目標設定をした上での評価基準---何%達成したか?でできる
数値目標か、定性目標か
技術評価もできる
361.本当に良いものが偶然できるのは、発明であって評価の対象ではない?
362.積み重ねの評価は、時期を設定し、達成度により評価できる
363.プロは佳作をとり続け落選してはいけないが、アマチュアは特選がとれることもあるが落選の方が多い
364.評価は、技術評価・人物評価・人材評価等いろいろな言い方がある
完全でないから使えないのでなく、完全でないなら直せばよい
365.評価は複線、複々線にすると良い
公平性に欠ける部分、儲かる事業部と儲からない事業部の違いをも考えること
366.画一的平等から合理的な公平へ
367.公平から公正へ
公平は曖昧な概念があるが、公正というと議論を主張する
公平は感覚で理解させる、右脳で理解させる
公正は説明できる、左脳で理解させる
<仕事の与え方>
9.1つの業務を2人でシェア
海兵隊の例
65.プロとしての「力」をフルに発揮する
67.水面下の能力を引っぱり出す
71.目標管理
123.「会社のためにがんばろう」という気にさせる機会の提供
ex,韓国サムソン電子新入社員の研修例
306.はっきりと指示されたやり方は日本人にはラクか?
307.決められたやり方でやって結果が出ないと、自分の責任ではない
308.決められたやり方以外で結果を出すことは、プロセスと結果の両方に責任が生じる
309.アカウンタビリティとリスポンシビリティの責任配分
プロデューサーはアカウンタビリティ
ディレクターは両方半分半分
スタッフはリスポンシビリティ
314.単能工か多能工か?業種によって違うはず
多能工の方が生産性が高いという自動車屋の発想に追随しただけで、実際には、単能工の方が生産性は上がる(cf;テイラー主義、フォーディズムの限界)
319.穴を埋める多能工がいない、俺知らないと投げてしまうことが問題
321.米海兵隊における1スタッフ2ジョブ
全員がライフルマンでありプラス、いろいろな仕事に分かれている
本隊の指示で動く
322.何が起きるかわからない、誰かやらなきゃいけない時にやるのが軍隊長
324.アジアにおいて、工程の中でチェックしようのないところがある
プロテスタントの神様は監視する、カトリックの神様は駄目?
マックスウェーバー「物づくりの資本主義」より
340.機械にさせられることは徹底して機械にやらせ、人間にしかできないことを人間がやる
人事も、営業も、マーケティングも、経営も
<マニュアル>
302.ラインではマニュアル通りでも、スタッフでは方法論を問わないこともある
316.アメリカでは、個々の仕事の配分がビット単位で細かく分担されている
仕事の範囲が各々に対して明確に区分されていくマニュアルノートを作成していた
317.標準化から漏れたことを引き受ける多能工的存在がいれば、まわっていく
そういう多能工が1人、単能工が5人いればいい
中小企業の活性化においては、誰がやったらいいかわからない仕事は全部自分の仕事という人がいて、それが社長
318.マニュアルや仕様書に「書ききれない」という問題はどうなるか?
書ききれていない部分を埋めているのが日本の作業者の良いところ
アメリカ仕様でいくと、書かれていないことは「俺知らん」で、進展に遅れが生じる
320.完成された標準化マニュアルと不完全な平準化マニュアルの違い
323.アジアの日本工場の制度はマニュアルの分厚さ
327.機械も使ううちに個性が出てくるので、その個性を見極めないとダメ
ある機械はすぐ止めてやる、別の機械はだましだましながらも動き続ける
マニュアルでなく、人間が瞬時に判断して行う
328.子供の躾けにマニュアルはないのと同様、日本の職場も躾けである
といった時に、考課、評価はどうあるべきか?
329.M社での中国とのやりとりの事実→マニュアルに書けない部分がある
330.マニュアルは会社を体系化する
心に教えるマインドマニュアル
頭に教えるテキストマニュアル
手足に教えるオペレーションマニュアル
331.慣れてきたときに最初に捨てられるのがオペレーションマニュアル
有為自然という状況ができあがっている
332.心に教えるものがちゃんとできていると、頭に教えるものは多少足りなくても乗り越えられる
333.マインドマニュアルが欠落していて、テキストマニュアルだけで動くのが外資系型
334.オペレーションマニュアルだけで覚えるのが、マクドナルド型
335.まずマインドがあり、落ち度のない2万ページのマニュアルがあるのが、ディズニーランド
336.どこに何が書いてあるのかわからないマニュアルの問題も、オンラインによるキーワード検索ができるようになり、マニュアル文明は完成したといえる
337.なおしていく必要があるのは、オペレーションマニュアルだけ
<教育>
341.日本では、精神を教えないが、形を行ううちに精神がだんだんわかってくる
人の育て方として、歩留まりは悪いが・・・
長期安定雇用を前提としたひとつの方法
342.プロ集団には精神を教え、アマチュア集団には技術を教える宮大工の例
精神は技術の結果として個人に淡い期待が生まれるというのは方法であるが、非効率
343.デザイナーの世界で、勘の良い子は、雑用しながら仕事を覚える
体感させるか、口で教えるか
気づきを期待しながら育てる育て方はあるが歩留まりは悪い
勘の悪い子はいつまでも気づかない
344.人材生産性の面から内弟子と外弟子の違いにおいて、どちらが歩留まりが良いか?
アメリカのファーム職人はスペシャリストとしての道が選択できなければ、出てもらう方がいい
346.完全にチェックのしようがない食品工場等では、「信用しているというメッセージ」を送るには相手を見なくてはならない
チェックも部分部分で下手に取り入れると、今までのシステムががたがたになってしまう
<選択>
3.個人のキャリア
新しいキャリアのカタチ
10.選択可能なキャリアパス
やりがいを「生きがい」「経済」「健康」という尺度でみると、個人により価値観は違う
13.人事の戦略は企業と個人の接点の問題
カフェテリアプランにみられる選択肢の用意という発想の問題
14.自発的な選択は、何歳くらいが妥当か?
情報に乏しい若い世代に選択させるのは難しい
選択できる対象層は、30歳くらいが適当である
自立と自己責任が有効となる30歳社員に対して、色々な選択肢が必要
17.選択の機会が必要---会社の情報公開と個人の選択力、選択する場づくりが必要
入社後1年半は日々の業務を毎日行うとよい
18.チャレンジ精神の醸成
入社時に、上司から「将来会社の幹部になれ」と言われたという例
失敗を恐れず、選択に対して挑戦できるようなシステムが会社に必要
20.経験重視or知識重視には個人差あり
経験期間は定義づけを明示し、知識や情報を身につけさせること
21.自由に選択できるまでは、強制的にある段階までやらせる
ある技術系の組織では、自由に選択できるまで強制的にやらせ、その期間は7年という例
22.自分で意志が形成できるようになる「ある時点」がある
有為自然、無為自然
28.W社の例
基本は営業会社であり、入社後3年間は全員が営業に配属
3年後から選択となり、その後の選択も3年ごと
企業のベースを培い、次にマネジメント能力を育成する
29.M社の例
最初から分かれて配属
しかし、近頃では、文化系出身者の技術者や理科系出身の営業があってもいいというように、クロスさせていく方向もある
50.社会構造の中で、キャリアパスに見合った会社の公然化を
「最初に勤める会社」「中途に勤める会社」「最後に勤める会社」が公にあってもいい
コンサルティング会社のキャリアパス例;最初の会社で労働の提供とスキルの獲得、次の会社でスキルを高く売り即戦力に、最後の会社で経験と人脈で貢献する
57.キャリアアップの選択
人を育てるには・・・
72.エサ(報酬)を押さえた上でのキャリア選択
報酬を明確にすれば、適正なキャリア選択の分布は可能ではないか
うまく誘導すること
73.キャリア選択に、テクノクラークのような基準の導入を
86.変革の意思は頭で理解できても、行動として変革できるかが問題
91.選択肢を多く!
選べる対象は多い方がいい
同様に、社長になれる可能性もあるといい
173.サポートがあれば人は育つ
ピグマリオン効果
183.企業内では、ピグマリオン効果によりある人物を血縁ある拡大ファミリーに形成することはできない
アメリカ軍ではできたが、血とは関係ない
184.「おまえはできる」の暗示は倫理的にはできないが、小学生レベルでは「できる」と思わせられる
高校で微積分を習い始めた頃には暗示は通用せず、できるできないがわかってしまう
185.「できる」と言われた人間を預かり、できるようにしないととんでもないことになる
288.人事において、ひとりひとりの選択を重要視するという制度づくりが「生き生き」につながろう
ひとりひとりのゴールをつくってあげる
349.選択肢を社員に渡すということ→これがESに繋がり、この習慣化がCSに繋がる
351.アパレルのW社のアシスタントデザイナーは一般職で、年俸制度の世界を作った人
この人たちは契約制でも良いのでないか
選べる権利を与え、選んだものに対して責任をとらせる
352.間違った選択をしないような、選ぶメニューの用意も大切
354.高級ブティックほど品数が少なく、選ぶ範囲が少ない
安物店ほど品数がたくさんある
355.会社の人事は、たくさんのメニューを準備するのが価値なのか、限られたメニューを上手に提供していくのが価値なのか?
356.ブティックは選ぶことにコストをかけて、選んだ物がある
量販店は選ぶことにコストをかけずに、品をそろえることにコストをかける
357.コンピュータの世界も356と同様に、選んだ商品を渡す=選んだ情報を渡す、商品を渡す=情報を垂れ流す
358.選択と言うところから生き生きした組織を考えると、選択肢を増やすことでハッピーになれるという話があるが、長期的に本当にハッピーなのか?
368.人事というのは選択なのだ
会社を選ぶという選択、教育での選択、評価での選択、配属での選択
369.選別から選択へというテーマ
370.日本では選択の幅という言い方でアナログ的、アメリカでは選択肢という言い方でデジタル的
371.人事においての、自分で選んだという納得感を与えるための選択
選択するものをある程度見せておき、落ち着くところに落ち着く
20%を光らせるための80%
373.文法論の解釈が選択肢で、意味論の解釈が選択の幅
374.選択肢が多くて生き生きすればよいが、多くて自分で決められないと言う迷いで不安になることもあろう
376.人事においても、選択のエージェントとしてのアドバイスができると、選択も難しいことではない